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部活動と勉強の関係性④


 これまで部活動と勉強との関係性を述べてきましたが、これらはすべて私自身が部活動で指導してきた中で経験してきたことから考え出した結論です。

 

 現在、部活動を取り巻く教員の勤務形態が問題視されています。確かに、時間外に「自発的な活動」としてボランティアのような状態で教員が拘束されている現状は見過ごすことができません。体制を改めるべきだということは明白です。私自身もほぼ休みのない中で部活動を強いられることに肉体的にも精神的にも苦痛を感じています。ですから、部活動推進派ではないということはご了承ください。

 

 一方、生徒だけに目を向けると、部活動の効果はそれなりにあると考えます。

 しかも、部活動と真剣に向き合い、自分の技術を本気で向上させようとする生徒ほど、引退した後の学力の伸びはすばらしいように思います。真剣な態度で臨む生徒ほど、自らの課題を調べ上げ、原因を探り、改善策を計画し実行します。そこでうまくいかなかった場合は、もう一度改善策を練り直し、新たに練習に臨みます。

 私はノートを使って、生徒が日々の課題を自身で考え、原因を探り、解決策を考え、翌日の練習でどのように実行するのか、という過程を記録できるようにしています。そのノートに日々、目を通すのですが、真剣に臨んでいる生徒ほど、課題、原因、改善策、改善計画を細かく書いています。部活動において実感したのは、伸びない生徒ほど、自身の課題が何なのかということについて真剣に向き合えていないように思います。

 やはり、これは勉強にもつながります。自分の成績を上げていくためには何をすればよいのか、と悩んだときに取るべき行動は、部活動と同じだと私は思います。

 

 ですから、現役で頑張っている皆さんは、自分と真剣に向き合って、日々の向上に本気でとりくんでください。

 いよいよ受験を迎えるみなさんは、これまで部活動で悩んだときに、自分がどのようにして壁を乗り越えてきたのかを思い出してください。必ず、あなたなりの成功経験があるはずです。それを最大限に活かしてください。

 

 すべての頑張る人を応援しています。