2019年度予算案において、小学校の専科教員を加配する費用の条件として、自治体に対し「新規採用教員の半数以上が英検準1級相当の学力を有する」ことを課したというニュースを年末に目にしました。
これに対してtwitter上は大騒ぎになりましたが、それもそのはずで、英検準1級はかなり難しい基準だからです。
特に語彙の面ではかなり難しいものがあります。
agonize, apathetically, zeal, burdensome…
ある英検準1級の英単語帳に乗っていた単語です。
このレベルの英単語が小学校の英語教育に必要でしょうか?
もちろん必要ないでしょう。
また、英語だけにこれほどの高いレベルの知識を求めるのでしょうか。
昔から「英語ができますか?」と聞かれた日本人は完璧に英語を使いこなせない限りは、「できない」と答えることが多いといわれます。英語に対してトラウマが影響しています。
このトラウマが現在にも引き継がれているのではないでしょうか。
一方で、生徒の学習に対しては「文法よりもコミュニケーションだ!」という態度で指導がされようとしています。なんだか、英語教育の方向性が定まっていないことがよく実感できます。
そして、英検準1級ほどの資格を有するような人間であれば、小学校教員以上の職業を目指す人がほとんどになるのではないでしょうか。
いずれにせよ、現在の英語教育の方向性は混沌としています。
「何かを変えないといけない」という見えない必要性に迫られて、どこに向かおうとしているのかがさっぱりわからなくなってきています。
小学校での外国語活動の教科化、オールイングリッシュの授業、大学入試改革…
現場は困惑するばかりです。
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